更年期障害

新年(24年)は1/5(金曜)より
開院致します。 →お知らせ

西洋医学の世界では、
更年期障害を閉経に伴う女性ホルモンの減少に伴う体調の変化と
考えています。
もちろん、
これはこれで正しいのですが、
東洋医学の世界からみると一面的すぎに見えます。

同じような年齢に閉経しても、
人によって更年期障害になったりならなかったりします。
更年期障害になってしまった人も、
人によって程度が違ったり、
現れてくる症状が全く異なったりします。

これはどうして起こるのでしょうか?

東洋医学の世界では、ここに隠れた体の不調を見つけます。
未病と言っても良いと思います。
普段隠れた体の不調がホルモンの減少に伴い現われてくるのです。

東洋医学の世界では、
ホルモンと似た概念として「」という概念を
想定しています。

精は、気・血・津液といった第一線で活躍する気を
後ろからバックアップする整備士・統率者
のような気です。

この精が不足しだすと、
臓腑(≒内臓)の働きが衰え、
血脈・経絡の巡りが悪化し、
筋・肌肉・膚への気血の循環が滞りがち
になります。

内臓や血行に余力がある所は症状が出にくいのですが、
普段から衰えてカツカツでやっているところは
問題が一気に表面化します。

これが、
更年期障害の一人一人の症状や程度の違う理由】
です。

また、
臓腑の働きに差が出来ると
その間で気血(≒血行)の不足や渋滞が起こります。
これが、
冷え上せしたり、
急激に汗をかいたり、
身体中が浮腫んだりする理由です。

また精は、
二つに分類されています。
先天の精後天の精です。

先天の精は生まれた時から持つ量の限られた精です。
使ってしまうとなくなります。

後天の精は内臓の働きによって生み出される精です。
内臓がキチンと働けば増やしていくことができます。

つまり健康でいるためには、
先天の精を出来るだけ使わず、
後天の精を増やして使っていくことです。

これは、
持って生まれた「からだ」を酷使するのではなく、
「からだ」をいたわって内臓に元気よく働いてもらい、
後天の精を作ってもらうおうということ
です。

そして、
これは私達が毎日の生活をどのよう送っているのかということと一直線で繋がります。

ここからわかることは、
更年期障害になる以前から、体の弱っている場所があり、
更年期をキッカケにして、体の弱っている場所から症状が出た
ということです。

更年期障害になる前から、
内臓を酷使して後天の精が不足気味の状態が続いており

先天の精が減ってきたのをキッカケに症状が現れた

―ということです。

すると、
「ホルモンを補充して症状が納まったから良かった」
としてしまうと弱った所を隠しただけでは、
将来に問題を先送りしたことになってしまいます。

もちろん、症状が納まることは良いことです。
「それ以上何を望む」という方には何も言いません。
(価値観の問題でもあります。)

けれども体の弱点が表面化してくるというのはチャンスでもあるのです。
自分の「からだ」の弱さを自覚し、「からだ」のメンテナンスを行い、
生活を見直して、より健康で元気な自分に巡り合えるチャンスなのです。

 

当鍼灸院では、症状を失くすことだけ考えて施術するのではなく、
将来の病気を防ぐため、
いや、現在の生活をもっとイキイキとさせるためにこそ治療を行います。

それは、
一人ひとりの症状に合わせた施術を行いつつ、
日々の生活を改善する養生プランを一人ひとりの状態に合わせて作っていくこと
につながっていきます。

西宮市のみなさまの健康に少しでも役立てたらと願っております。

タイトルとURLをコピーしました