背骨、あるいは、脊柱

背骨あるいは 脊柱のイラスト
by Freepik

脊柱(セキチュウ)とは,
いわゆる、背骨のことです。

解剖学における学術用語です。

脊椎は、
椎骨(ツイコツ)と呼ばれる小さな骨と
クッションになる椎間板(ツイカンバン)が
達磨落としのように
縦に積みあがった構造をしています。

人間では一般的に
首の椎骨は7個
胸の椎骨は12個
腰の椎骨は5個
お尻の部分は5個の椎骨がくっついて
一つになった仙骨(センコツ)が一個
尻尾のなごりである尾っぽの骨3~5個
で出来ています。
(ただし、絶対ではありません。
たまに、腰の椎骨が6つある人がいたり
首の椎骨が8つあったりする人もいます)

首、胸、腰の椎骨を
それぞれ
頸椎(ケイツイ)
胸椎(キョウツイ)
腰椎(ヨウツイ)
と解剖学の世界では呼んでいます。

上から番号をふって
正確な位置を表します。

頸椎5番
とか
胸椎10番
とか
腰痛2番
です。

整形外科や外科で
レントゲンやCTを
撮った後に受ける先生の説明なんかで
「4番目と5番目の腰の骨の間が狭くなっているせいですね」
とか言われるのはこの意味です。

人間では脊椎は体重を支え、
宙へ向かって身体を持ち上げる
大黒柱のような役目を果たしています。
(ブタや牛のような四つ足の動物では天井の梁のような役目になりますが…)

縦に連なった椎骨のあいだには
それぞれ、小さな関節があります。
この関節の間が滑ることによって
椎骨をすこしづつ動かすことができ、
結果として脊柱は左右前後に倒したり、
右に左に捻じったりすることが出来るようになっています。

つまり、脊柱はカチカチの鉄の棒みたいなものではなくて、
竹のようなグニャグニャとしなるものなのです。
これが、
私達の胴体が
金属で出来たロボットの胴体ような箱状のものではなくて
バネ仕掛けのクッションのように動く理由です。

また、
椎骨の真ん中あたりは中空になっています。
中空の部分は上下の椎骨の中空とつながっています。
そして、脊柱全体の中心をを縦に細長い中空が走っています。
その縦に連なる中空の廊下の中を
脊髄(セキズイ)と呼ばれる神経の束が
脳や延髄といった中枢から垂れ下がるようつらぬいています。

また、椎骨と椎骨の間には
脊髄から枝分かれして
骨の外へ神経が出ていくための通る穴があいています。
そこから手足を動かすための神経出ていき、
手足の感触や熱さ冷たさを伝えるための神経が中へ入っていきます。

つまり、この椎骨と椎骨の間うまく動かなくなったり、
動いていても血行が悪かったりすると
手足がうまく動かせなくなったり、
変な痛みを感じたりするのです。

けれども、
それだけでありません。
脊椎の外側のすぐ脇には
自律神経が走っています。
自動的に動く神経という意味です。
つまり、心臓の鼓動や胃腸の動きを
私達が気づかない間に調整している神経です。

この自律神経がイタズラされると
内臓の調子もわるくなってしまうのです。

つまり、
椎骨と椎骨の間が
ちゃんと動かせなかったり
血行不良を起こしていたりすると
手足が動かしにくくなったり
痛みや知覚異常が起こしたりするだけでなく、
動悸や息切れ
胃もたれや便秘などなど
さまざまな症状を引き起こすこと
なります。

ここでより重要なのは、
脊柱という解剖学的な知識よりも
「からだ」を動かした時に
直接的に感じられる背骨という感触です。

背骨の動きを
自ら感じることで
自分の「からだ」の調子を測ることができます。
これは機械が測定してくる数値では
ありません。
自分で感じる「からだ」のナマナマしい感触です。

背骨がしなしなとしなる、
その感触を通じて自分の調子が悪い所、
悪くなるだろう所を推し量ることが出来るのです。

東洋医学はここから
自らの「からだ」を使って
養生の方法の良しあしを検討したり、
新しい技術の開発を行ってきたのです。

姿勢というものが健康に如何に
影響を与えているのかというのも
ここで実感されるのです。