当院の施術方針・・・「からだ」の声を聴こう!
当院の施術方針は
「からだ」の声を聴こう!
です。
もはや使い古されたキャッチコピーですが、実の所でキチンと使われたことはほとんどなかったのではないでしょうか?このまだ汲み尽くされていない【「からだ」の声を聴こう!】を具体的に実践してもらい充実した「からだ」生活を実現してもらいたいと考えています。
痛みや不快感とは(あるいは高速道路の玉突き事故)
痛みや不快感・・・無くなればどんなに楽ちんだろう?
肩こり、腰痛、四十肩、頭痛、坐骨神経通、ヘルニア…
腹痛、胃炎、生理痛、便秘、自律神経失調症…
不眠、不安、倦怠感、動悸、疲れやすい
痛いの辛いですよね・・・怠いとかしんどいとかも気が沈んで何にもしたくなくなりますよね・・・
しかし・・・ よくよく観察をしておられる方は薄々気づいておられると思います。こういった痛みや不快感は複雑な「からだ」のごくごく表面的な出来事でしかないことを・・・ 痛みや不快感だけ目の敵にしてたって、モグラ叩きみたいなもんじゃないのか?・・・と
例えば、高速道路での玉突き事故を思い出してみましょう。先頭の車が事故をして動けなくなる。そこへ後から次々と車が突っ込んできて折り重なるように事故車の吹きだまりが出来る。そして最後の方に飛び込んだ車は吹きだまりの重さ全体の反発力を強く受け大破して炎上する。そういった光景を事故のニュースなどでたまに見かけますね。
玉突き事故においては、目の前の炎上してる車からドライバーを救出したからと言って全て解決したことにはなりません。煙で見えない向こう側には動けなくなった車の吹きだまりがあります。こちらこそ玉突き事故の本体なのですから…
痛みや不快感はこの目前で炎上している車なのではないでしょうか?
実は、痛みや不快感を感じていない所にこそ不調の吹きだまりがあるのではないか?
そう考えて、実際に「からだ」を観察してみると今まで気付けていなかった「からだ」が見えてきます。
何度も繰り返してしまう痛みや不快感(・・・あるいは事故の後の巻き込まれ事故)
玉突き事故の例えは想像をさらにふくらませることが出来ると思います。例えばこんなかんじです。
消火→鎮火→人命救助成功→そこへ後続車突っ込む→再び炎上
これが《痛みや不快感が何度も繰り返してしまう》時に体の中で起こっているだろう現象のイメージだと私は考えます。このイメージに当てはまりそうな例はいくつも想像することが出来ます。
- マッサージ等で肩こりを一時的に解消してもまたすぐ凝ってきてしまう
- 四十肩が治まってくると入れ替わりに腰が痛みだした
- 花粉症の薬で鼻水を止めたけど鼻づまりと眠気でフラフラ
- 軽かった花粉症が年々ひどくなってきてる
- すぐ治まる頭痛なんだけど季節の変わり目や低気圧ですぐ痛みだす~年々痛みが強くなってきてる気がする
- 生理痛やPMSが段々ひどくなってきてる
- 眠っても眠っても疲れが取れた気がしなくて朝からダルい
- etc.
こういった例の多くには、玉突き事故ようなパターンが隠れていると考えるのが自然だと思えます。
・・・《一度治まった痛みや不快感が何度も繰り返してしまう》・・・《色々な痛みや不快感が変わりばんこにやってくる》・・・《天気や湿気、生理周期に合わせて痛みや不快感が戻ってくる》・・・
・・・いつも同じパターンにはまってしまって抜け出せない・・・
この堂々巡りは高速道路の玉突き事故のように道ふさいでしまっている「からだ」の状態が先にあって、その後に痛みや不快感が後から引き起こされているからだ―というのがイメージ出来ると思います。
では、一体どうすればよいのでしょうか?
どうしたらいいんだろう?
玉突き事故の例えでは、答えはシンプルです。
まず交通整理を行うことです。これでさらなる追突が増えるのを防げます。
そして、消火→人命救助を行います
余裕を確保しておいて、前の方で道をふさいでいる事故車両を動かして片付けていくことになります。
そして最後に高速道路をスムーズ通行出来るようになって、やっと「一息つけるね」となるはずです。
この例えを、「繰り返す痛みや不快感をどうにかしたい」という話に差し戻せば、まずはキチンと整理行い、応急処置したあとは、痛みや不快感以外の「からだ」全体にもちゃんとアプローチしていこうよ―ということになります。
この ″「からだ」全体にアプローチ″するということは
- 膝が痛い→腰の動きにもアプローチ
- 腰が痛い→首や肩背中の動きをよくしよう
- 頭痛がする→下半身の冷えやすさにアプローチしよう
- 肩がこる→手や指をゆるめよう
- 目が疲れる→アゴの噛みしめをゆるめよう
- 緊張してお腹が痛くなる→首や胸郭をゆるめて息を深くしよう
- 動悸や息があがる→下肢の浮腫み減らそう
・・・みたいな一見「それ関係ないやん」みたいなアプローチの可能性も検討していくことになります。
【「からだ」の声を聴こう!】
ただ、玉突き事故と異なっている点があります。目で見て直接確認出来ないことです。″交通整理″とは一体何をすることに当たるのか?、”動かす”べき“事故車両”の順番はどうやったら決められる?とか…そういうことです。もし、それらがわかって実行出来たとしても、どうやって”片付け”が終わったことがわかるのでしょうか?その基準は何にしたら良いのでしょうか?
そこで大切になってくるのが、痛みや不快感に注目するだけではなく「からだ」全体の様子をも丁寧に観察して、それを自分自身へと問いかけなおすことです。
玉突き事故の例にもどってイメージしてみましょう。災害や事故の時にとても重要になってくるのが情報です。人工衛星の上空写真からは玉突きした車のおよその台数とか炎上の程度とかがわかります。これはこれで大切な情報なんですが、もっと必要とされる情報があります。現地に立って事故現場に直面しながら事故の処理を続けている現場の人達の情報です。現場の人達がリアルタイムで観察しているおかげで消防車は何台必要なのか?どの車をまず動かすべきか?動かすにはクレーン者が必要なのか?レッカー車で充分なのか?どこまで作業を進めれば一安心できるのか?等々がわかるのです。
現場の人とは、患者さん自身(あなた自身)とのそのパートナーである患者さん自身(あなた自身)の「からだ」です。これが【「からだ」の声を聴こう!】という当院の方針ということになります。
二人三脚で【「からだ」の声を聴こう!】
事故現場で対処してる人だからといってそのまま役立つ報告が返してきてくれているとは限りません。燃え盛る炎に気を取られ「大変だ!大変だ!」と騒いでいるだけではそこから先へ進めません。また、同じ玉突き事故の現場に直面している人でも、下手から見てる人と上手から眺めている人では見えてる景色が全く違うはずです。つまり、現場で直面している人達が携帯/無線やSNSなどで互いに連絡を取り合い、励まし合って気持ちを落ち着かせ、カギになる変化を見逃さないよう声を掛け合いながら情報を集めていく必要があるでしょう。
この例えを、痛みや不快感の現場に差し戻せば、玉突き事故の下手から見てるのは患者さん(あなた)とその「からだ」で、上手から見てるのは私(宮崎)となります。さしずめ私は後から駆け付けた救護隊員や消防隊員みたいなもんでしょう。この上手と下手からの観察を情報交換しながら二人三脚で行うことでやっと役立つ観察にしていくことが出来るというわけです。
大切なポイントは、私(宮崎)と患者さん(あなた)の観察を擦り合わせて多角的なイメージを構築するということです。この過程を経ることによって、やっと、″交通整理″、”前の方で道をふさいでいる事故車両”や”片付け”って何なんなのか?が判ってくることになります。
さらにこの二人三脚の観察を続けていくことによって、その「からだ」全体の変化に合わせ、効率が悪い方法を修正していったり、より良い方法へ取り替えたりする臨機応変の対応ができるようになってきます。
鍼灸、整体、養生という方法
「からだ」の変化を観察するのを丁寧に出来れば、たいていは半ば目的を達したことになります。そして、その様子しだいで施術を変えたり調整したりしながらベストな道を探っていくのが当院の施術方法ということになります。よって、当院の≪鍼・灸・整体・養生≫といった方法の区別じたいにはそれ程重きをおいておりません。どれが特別優れているとか、どれに比べて劣っているとか言ったことは考えても仕方ないことだと思っております。それよりも、「今の状態の患者さん(あなた)にとって一番ベストな方法はどんな方法だろう?」ということをケースバイケースで考えることを一番に据えております。鍼と整体の効果が同じくらいと予想出来て、鍼に恐いというイメージを持っておられるような患者さんにあえて鍼を施すようなことはしません。反対に恐がっているけれども鍼をする方がより効果や効率が良さそうという予想が出来る時は「思い切って鍼をやってみませんか?」という提案をさせてもらうこともあります。(施術の選び方や自分の「からだ」の反応について気になる方は気兼ねせずお尋ねください。そうしていただければ、私も「どう感じてるんだろう?」みたいな恐れを抱かず済み施術しやすくなります。)
よって、鍼・灸・整体・養生の区別は「何が長所で何が短所なのか?」という点のみが問題になります。
鍼
鍼って?
一般的には、金属で出来た細長い針(鍼)を皮下に刺しこんで「からだ」を刺激する技術ですが、鍼灸師からすると「それだけが鍼じゃないよ」となります。擦ったり撫でたりする、当てるだけみたいな刺さない鍼もあります。一般的には≪鍼=刺す=痛い≫みたいなイメージが出来てますがそうという訳でもありません。基本的に鍼灸師はいつも鍼先の感触から微調整を行い刺激の強弱を調整しています。「痛がりさんだから弱くしとかなきゃ」とか「この疲れ/コリを取っとくには少し強めにしとかないとな」などなど・・・です。その調整巾からもれるような時は刺さない鍼みたいなものでさらに強弱を調整しているというわけです。鍼と呼ばれる道具を使って刺激を行う技術全般が鍼灸師にとっての鍼ということになります。
鍼の長所
- 小さなピンポイントへ刺激できる
- 刺激の強弱が調整しやすい
- ピンポイント刺激➡️「からだ」の微細な変化をリアルタイムで観察しやすい
- 鍼先の感触から「からだ」の様子が伺える
- 患者さんが受け身でいられる範囲が広い
鍼の短所
- 施術者(宮崎)側一方的な施術になりやすい(二人三脚が難しい)
- 鍼先の微調整や微操作が難しい
- 鍼のイメージが怖い
灸
灸って?
一般的には、艾(もぐさ)と呼ばれるヨモギから作られた綿のようなものを燃やして「からだ」を温め刺激する方法です。ただこれも、鍼灸師にとってはもうちょっと巾のあるものです。ざっくり言うと、温めるという刺激によって「からだ」を改善へ導く方法と言えると思います。なので、湯たんぽや使い捨てカイロも、鍼灸師にとっては灸という方法に含めても良いのではないかなと思います。
灸の長所
- 温める効果がつよい
- 患者さん(あなた)も自宅で自分自身で出来る
- 患者さん(あなた)自身で施術しても効果がでやすい
灸の短所
- 火/熱を使う
- 火傷の可能性がある
- 後片付け等があるので少し面倒くさい
整体
整体って?
座り方、立ち方、歩き方といった姿勢や動きから、前後左右上下、動きの感じ等のバランスを観察しながら行う手技と当院では考えています。この中には、世間一般で言われている、ストレッチ、操体法、手でさする&あてる、自力で行う体操、二人で共同で行う体操から施術者が一方的に施す手技まで何でも入ることになります。ポイントは「からだ」のバランスを伺いながら行うという部分です
整体の長所
- 体感的に理解しやすいもの多い
- 施術する側と受ける側の(「からだ」の)二人三脚が作りやすい
- 自宅で行う自力の養生への橋渡しとして働きやすい
整体の短所
- 全体的に刺激が強くなりがち
- 即効性みたいな判りやすさに流れ勝ち
養生
養生って?
養生とは、【将来に襲ってくるかもしれない「からだ」の痛みや不快感、不安に備えて、日々の生活の中で行う小さな工夫の積み重ねである】ーという風に私は考えております。養生と聞いてすぐ思い浮かべる“腹八分目”とか、”一日一万歩”とか、”早寝早起き”とかがまさにそれなんですが、そういった行動の積み重ねがただの徒労にならないような工夫が必要であるーと考えています。その工夫を行うためのエッセンスこそが≪「からだ」の声を聴こう!≫ということになります。≪「からだ」の声を聴こう!!≫を日常生活の中に取り入れていくためには、当院で二人三脚で試した整体等やそれに伴うセルフチェックの方法等がとても役立ちます。そういった自分の「からだ」を感じるという視点を加えた養生を積み重ねていくことによって「からだ」が変わっていくのを納得しながら経験してもらえれば、将来の痛みや不快感に対する不安が減っていくものである―と私は確信しております。
養生の長所
- 安く手軽に自宅で出来る
- 健康へのアプローチとして根本的対策になる可能性が高い
- 自分の「からだ」に詳しくなる
- 継続することによって患者さん自身で上達出来る
養生の短所
- 習慣化じたいに根気がいる
- 【さじ加減大事】が難しい
- 一人黙々と実践するだけでは【「からだ」の声を聴こう】がつかみにくい