この質問には一般論で答えることはできません。
一人ひとりが全く違う状態だからです。
身体や「からだ」の状態や生活の目的が
みんなバラバラだからです。
患者さん自身の
「からだ」の状態と
【どこまで求めたいのか?】という
価値観との兼ね合いで
決まってくるとしか言えません。
例えば、
「右肩の動かした時の
ズキっとした痛みがなくなれば
それでOKだよ」
というケースなら、
たった1回来てもらうだけで充分なことも
多々あります。
ただし、この場合はまさに、
その場しのぎ的にならざるえません。
痛みが取れただけで、
痛みを引き起こした
「からだ」の歪みや「気血」の淀みは
そのまま残っているケースが
ほとんどだからです。
遠い将来か、
近い将来かはわかりませんが
恐らくまた痛みがぶり返してくるだろうと
想像できます。
全く同じ症状が
ぶり返してこなかったとしても、
そこを起点とした違う症状が
出てくるだろうなと思われます。
そこで必要になってくるのが
患者さん自身の意志や価値観
ということになります。
その場の痛みさえしのげたらオッケー
という刹那主義的な価値観を
持っておられる方は
一回で右肩の痛みのなくなるなら、
当然、1回で充分ということになります。
逆に、
将来の不調の芽をつんでおきたいという
長期展望型の価値観をもっておられる方は、
ある程度回数を通ってもらう必要が出てきます。
ただ、
この予防的な通院も
どの範囲で予防を目指すのか?という
手間のかけ方の差で通院期間が、
随分と幅をもったものになります。
予防のための対策のなかには、
生活習慣の調整や
「からだ」のレッスンの
ようなものまで含みます。
つまり、
患者さん自身の
『生活そのものを変えていこうよ』
ということを含むのです。
その時は、患者さん自身が
「どんな生活を送りたい」
と思っているのか
「どんな時間を過ごしていきたいのか」
ということが
とても重要になってきます。
つまり、
「何を大切に思って
どんな時間や手間を費やしていくのを良し」
としているのか
ということがとても大切なのです。
「生活のパターンを多少変える面倒をしてもいい!
もっと、快活に楽しくこれからを生きたい」
と思っているのなら
より少ない回数で目標に達成できる可能性が増えます。
「今の生活を全く変えたくない
けど、将来の不調の種はそちらで出来るだけ取って欲しい」
というのなら、詰めたペースで長期に渡って通ってもらう必要が出てきます。
私たちは患者さん生活の中に
土足で上がり込んでいくようなことは出来ないのです。
価値観以外で
どれ位通えばよいのか左右するのは、
来院された時点での患者さんの「からだ」の状態です。
痛みの感じや場所、症状が
隣の人と同じように見えても、
「からだ」の状態は千差万別です。
複雑に入り組んだ状態になっているものもあれば、
痛みのすごく強い割に、単純な仕組みで起こっている痛みもあります。
概して、単純なものほど症状がおさまるのが早く
複雑なものほど、手間がかかります。
例えば、同じ五十肩でも
1回で腕が上がるようになるものもあれば
20回くらいかけないと腕が上がるようにならないものまで色々です。
これは、痛みの強さや症状の程度とはあまり関係なくて、
これまでにため込んできた〝未病”のたまり具合と
それら
〝未病”のからまり具合や
悪循環の形成の程度で決まってくるといえます。
若い人の症状が比較的早く取れることが多く
年配の方の症状が治りにくかったりするのは、
ため込んできた“未病”のたまり方の差とも言えるのです。
「どの位通えばいいのか?」
以上のようにケースバイケースだとしか
言えません。
「からだ」を診せてもらって、
お話しを聴いて
やっとおぼろげなイメージが浮かんできます。
その時、
尋ねていただければ
一人ひとりには
もう少し具体的な答えがだせるのではと思います。