アゴまわりから全身へ:動悸、息切れ、胃腸障害、立ちくらみ

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アゴまわりの解剖図を覗いてみると、
アゴとクビの間あたりを、
迷走神経三叉神経顔面神経舌咽神経副神経といった脳神経
通りぬけていくのがわかります。また迷走神経は巨大な自律神経でもあります。
また、頸椎の横突起の中を突き抜けて真っ直ぐ上がってきた椎骨動脈が大きな急カーブを描いて、
向きを変えて頭蓋骨の中へ入っていくのもこのあたりです。
上から下へ降りてくるものに目を転じてみると、
頭から静脈血やリンパが降りてくきてこの辺りで集まって合流して胴体へと下っていくのに気付くと思います。

つまり、このアゴと頸の隙間を人間の体にとって重要な器官がたくさん通り抜けていくのです。
そして、この上と下には、脳と心臓、肺があります。
脳は全身の調整をしており、ここが狂うと体調や心がおかしくなってしまいます。
心臓と肺は酸素と血液を運ぶという温血動物にとっては一刻も休んではいけない器官です。
この脳と心肺の連絡路にあるアゴまわりが不調をきたせば、当然全身へと影響が及ぶのが想像できるはずです。

例えば、
直接的な影響だけに限定して像像するだけでも、

三叉神経 → 顔やアゴまわりの痛み・しびれ
顔面神経 → 顔や口の筋肉の麻痺や動作異常
舌咽神経 → 飲み込みや発生の異常 → 嚥下障害 → 誤飲性肺炎
副神経  → 頸コリ・肩コリ
迷走神経 → 心拍や呼吸調整の不調、胃腸の停滞 → 息切れ、動悸、胃潰瘍、便秘等
椎骨動脈 → 脳への血流量低下 → 立ちくらみ、めまい、意識障害

などが想像出来てしまいます。

そして、

実際にアゴまわりの緊張を弛めたり、
血液やリンパの流れをよくすると
これらの症状が取れてしまう方が大勢おられます。

さらに、
人間の「からだ」が
グルグルまわる連鎖反応の巨大な網の目であることを考慮に入れて考えると
アゴまわりのトリガーとしての役割は非常に大きなものだと考えられます。

この重要なアゴまわりは、
また、未病(病のタネ)を溜めやすい場所でもあります。
ひとつは構造ためです。
アゴと頸の間の狭い空間を重要な器官が沢山抜けていくためどうしても脆弱になりやすいといったことがあります。
そして、もうひとつ私達人間の食生活です。
柔らかい食べ物、小さく切った食べ物ばかりを食べる私達は
アゴまわりが運動不足に陥ってしまうのです。
腕や足をしっかり鍛えている人でも、アゴまわりは何もしていないことも多いと思います。
この運動不足が血行不良やリンパの淀みを起こして病のタネ(未病)を育てるのです。

当院では、こういったアゴまわりから不調を未病から改善していくことを狙って施術していきます。
鍼や灸といった施術はとても有効な方法です。急激に未病を減らしていくことができます。
けれども、ご本人様が行う養生がもっとも大切な治療法なのではないかと私は感じています。
自分自身の「からだ」に対する知恵を付けて頂くのが、
本当の意味で未病を元から治していくことだと私は思っているからです。

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