ときどき
患者さんから
「美容のための鍼や整体はしないの?」
と訊ねられます。
答えは
「もちろんやりますよ」
と答えます。
けれども、
【ただし】と
付けてしまいます。
「ただし、
健康になった結果、
お肌がキレイになったり、
顔の左右が整ったりする
という方向でね」
と付け加えます。
また、さらに、
「「からだ」や生活を
ほったらかしにして
鍼や整体で
お肌がキレイになっても、
一時的なものですよ」
と付け加えます。
確かに
鍼や整体を行うことで
血色が良くなり
肌がキレイになることは
臨床現場では
よく目にする現象です。
実際に
肌をキレイにすることを
狙ってはいない施術で
アゴのむくみがとれて
すっきりして小顔になったり
するのをよく見かけます。
けれども
生活を見直さず
いつもと同じ生活を
続けていれば
また、1~2週間もすれば
もとに戻ってしまうのが普通です。
大切なのは
自分自身から
生活を振り返って整えたり
日々の「からだ」の変化を
感じることです。
そして
体つきや肌の具合は
日々の生活が降り積もったものである
ということを深く自覚することです。
つまり、
「養生」を
身に着けるということです。
体が弱く
沢山の症状に苦しめられていた人が
生活を見直して
自分の「からだ」と会話を
繰り返しているうちに
頭痛や神経痛といった症状を
克服するだけではなく
肌のクスミやシミが
薄くなったりして
見違えるようになった例を
いくつも見てきました。
その時に
よく思うのです。
【「人が人を
「美しい」と思うのは、
単に顔が整っているとか、
お肌がスベスベだとか、
表面だけを
みているわけではないではないか?
むしろ
その人の向こう側を
見ようとしているのでは
ないだろうか?】と
その人の美しさの向こう側に
その人の心持や
生活に向かう姿勢や
何を大切にして
何を退けようとしているのかを
見ようとしてるのだと。
そして、
その美しさの中に
「からだ」と生活を
貫く一本の筋が見えた時、
本当に「美しい」と感じて
心揺さぶられるのではないかと
思うのです。
そして、
それはとりもなおさず
「生活の価値」へと
つながっていくのだと思います