“肩こり”の背後には“未病”がある

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肩こり
illustration by フリーメディカルイラスト図鑑

よく、
何にもしてないのに肩がこる
という風に訴えられる方に会います。

その前提には、

肩を使った
  ↓
肩に疲れが溜まる
  ↓
肩がこってくる

という暗黙の思い込みがあります。
使ったせいで起こる
筋肉痛のようなものだという理解なのです。

けれども
自分自身の毎日の生活を
振り返ってみれば、
肩コリを考えてみれば
私達が思っているほど
肩こりは単純なものではないのが
すぐにわかると思います。

ストレスが強くなると
肩こりがひどくなるのは
よく経験されることです。

食べ過ぎて
肩がこることも
結構よくあります。

肩がこってたけれども
仕事をはじめたら治まってしまった。
等々

そういう隠れたつながりを
示すわかりやすい例が

左の肩こりは
心臓の異変で起こることがある

というやつです。

確かに、
心筋梗塞心不全
前触れ自覚症状として
左の肩こり手のシビレ
出現することがあります。

つまり
普通の肩コリの中に
重大な病気のサインが
隠れていることがある

ということです。

だから、
肩こりには気をつけましょう!」
ということになります。

しかし、
私はこれでは
片手落ちなのではないのかと
思ってしまいます。

つまり、
内臓等からくる
重大な肩こりに気を付けておけば

あとの重大ではない肩こりは
ほったらかしにしといて良い

ということになってしまいます。

東洋医学の考え方に
未病”という考えがあります。

未だ病まざる病
とでも言うべき考え方です。

東洋医学では、

病は
症状や自覚が出てくる前から
徐々に進行している

と考えています。

その自覚されない病の種・根を
未病
と呼ぶのです。

現代なら、自覚症状だけではなく
病院等の検査も加えても良いかもしれません。

検査結果は問題ないのに
自分で何か変だと感じるなども
未病”を感じていると
言えるのだと思います。

その“未病”の代表的なものが
肩こりなのではないでしょうか?

病院の検査ではうまく異常は見つけられない
けれども、肩に違和感を感じてしまう。
肩こりは未病の現れと言えるのだと思います。

(東洋医学的な視点から正確に言えば、
肩こりも自覚症状なので“未病”ではなく
既に病である“既病”ですが…)

東洋医学的な視線から
肩こり”を見つめると
様々な要因が浮かびあがってきます。

内臓の疲れ
姿勢の悪さ
首のいがみ
風邪
冷え
のぼせ
ストレス
等々

そして
これらのつながりが積み重なった
はてに大きな病があらわれるのを予感するのです。
東洋医学を学んだものには
肩こりから心臓等の病へと
つながっていく道が見えるのです。

東洋医学の治療は、
これらの要因に一つ一つ対応していくことです。

肩の疲れが起きる条件を
一つづつ、つぶしていくことこそが治療になります。

つまり
肩に疲れが溜まっているから
鍼やあん摩で疲れをを取れば
肩こりもなくなって万事オッケー
とは考えないのです。

それでは
またすぐに肩こりになってしまいます。
そして、また
それを鍼やマッサージで解消する。
それを繰り返しているうちに
大きな病へと発展していくのです。

~~~~~~

何にもしてないのに
肩がこるのはどうして
?」

と訊かれたら

何にもしてないから
肩がこるのかもしれませんよ

と私は答えることにしています。