夏の「からだ」を感じてみよう!!

夏の風景:風鈴

夏の「からだ」を感じてみよう!!

夏の身体の状態

血液が熱を中から外へ運ぶ

夏の間、
私達の身体は
血液の流れ方を
変化させて
暑さに適応しようと
しています。

血液は
熱の運搬者なので、
この運搬者を
どう動かすかで
暑さに対する
適応力が
かわるのです。

それは、
身体の内部から
外側へと
血液の流れを
向かわせることです。

体表の浅いところへ
沢山、血液を送り込み
肌から熱を放出することです。

肌から外へ汗として放出

肌からは
汗が出て乾き
血液から熱を奪います。

冷やされた血液は、
また、身体の内部へと
戻っていきます。

まさに
自動車のエンジンを
冷やすラジエーターなどと
同じ仕組みなのです。

細部での変化

もっと
細かな変化に
目を向けると

体表の肌近くにある
細動脈は開き
毛細血管を拡張させます。

その結果、
血液は皮下の直下を
沢山通ることになり
熱が外へ放出されやすい
状態になります。

また、
抵抗の大きい細動脈が開くので
血圧は下がりやすくなります。
夏場に血圧が下がると言われるのは
このためです。

同時に、
肌にある毛穴が開いて
汗が出やすい状態を
作ります。

夏の「からだ」を自分で感じてみる

それはどんな感じ

以上、
とてもわかりやすい説明です。
スッキリしてます。
けれども、
私達には少し不満があります。

それはどんな感じなん?
それはどんな感触なん?

ということです。

自分の「からだ」を観察してみる

手のひらを観察する

まず、手のひらを
見て見ましょう!!

明るい赤みを帯びて
潤いがあって
しっとりした感じです。

手のひらどうしを合わせて
感触をよく感じると
手のひらは温かく
水分を沢山含んだような
ふっくらとした
感触を感じることが
出来ます。

冬場のカサカサとして
キュっとしまった感じのする
手のひらと随分ちがうのが
わかると思います。

お腹をさわってみる

この温かくしっとりとした
手でお腹をさわって
みましょう。

どうでしょうか?

大抵の人は、手のひらより
お腹の方がやや
冷たい感じがするのでは
ないでしょうか?

しばらく、

お腹に手のひらを
あてていると
手のぬくもりが
お腹に伝わり
温もってきます。

温まってくると
お腹がグルグルと
動き出すのが
わかることも
多くあると思います。

血液が中から外へ
向かっている様子を
示したものです。

手のひらや足の裏は、
毛細血管が豊富にあり、
細動脈が開くと
沢山の血液が
流れこむ場所です。

それが、
手のひらの温かさや
ふくらみとして
感じられるのです。

お腹は
逆です。
手足に血液が余分に回った分、
血流量が相対的に減って
やや冷たくなっているのです。

また、血液の流れる量が減って
動きが鈍くなってます。

そこで、
手のひらの熱を
お腹に返して
あげると
胃や腸の動きが
少し活発になってくる
というわけです。

背中を触ってみる

首から背中に
かけて触ってみると
汗で少しベタついたような感じで冷たい感じになって
いることが多いと
思います。

これは、
毛穴が開いて汗を出し
乾いていく時に、
熱を奪われた結果です。

首すじ~背中は、
沢山の汗を放出して
どんどん乾かして
熱を放出している場所だ
ということが
実感としてわかるはずです。

暑がりの人に、
この首の付け根~背中にかけてを
観察させてもらうと
熱くなって
軽くうっ血したように
なっている方が
多く見られます。

熱の排出が間に合わず
熱がたまり、
毛細血管が開いたままに
なっているように見えます。

東洋医学では“熱証”によく使われる
大椎や陶道といったツボが
この辺にあるのも
感覚的に納得できる感じです。

また、カゼの初期に
よく使われる“葛根湯”使用の際の指示が

「ごく初期のカゼで、首~肩のコリを伴う
汗がまだ出てない風を嫌がるものは葛根湯を使うべし」(意訳)

太陽病、項背強几几、無汗、悪風、葛根湯主之
『傷寒論』張仲景 著

となっています。

“葛根湯”は、
汗が出ることを促す薬であることを
考え合わせると
「ああ関連しているのだなあ」
と感じられるはずです。

二の腕やフクラハギを触ってみる

手のひらや足の裏と違い
かなり冷たくなっていることが
多いと思います。

手のひらや足の裏ほど
毛細血管が多くないため
そちらに血液を
奪われて冷えやすいと
言えそうです。

そこに汗をかくと
熱が奪われます。
胴体ほど太くないので
どんどん冷えます。

それが
この二の腕やフクラハギの
冷たさです。

クーラーをつけっぱなしで
短パンで寝たりすると
コムラがえりや
四十肩になりやすかったり
するのは
この辺にも理由がありそうです

血圧を感じてみる

最後にちょっと難しいですが
手首の脈を見てみましょう。

指の腹で脈に直角に
脈幅全部を
おおうように
のせます。

そのまま、

指の腹全体を
沈ませるように
脈を押さえつけて
血液の流れを止めます。

そこから、

ゆっくり力を弛めていきます。
血液が流れだした力加減が
上の血圧ということになります。

最初はわかりにくいかもしれませんが、
繰り返し実践していると
さっき走ったから高いなあとか
今日はいつもより高めだなとか
昨日よりちょっと下がってきたなあとか
わかるようになってきます。

すると、
冬の血圧より
夏の血圧が相対的に
低いことが多いことが
わかるように
なってきます。

同時に
夏場の血管が弛んで
太くなるような感じも
感じられるようになってきます。

夏の「からだ」からズレた「からだ」

このような夏場の「からだ」の変化が
わかるようになってくると
夏の変化から逸脱したような
「からだ」の変化が
みられる時があるのが
分かるようになります。

このはみ出してしまったような変化は
「からだ」の変調を知らしてくれているものです。

未病”と呼んでも良いものかもしれません。
あるいは、
未病”の手前の状態かもしれません。

なんにしても、
これらの変化に対応していくことが
夏の不調を予防していくことになるのです。

よくある夏バテパターン

夏の不調にも
様々なパターンがあります。
従って沢山は書くことはできないので
よくあるパターンの”夏バテ”の例を
一つだけ上げておきます。

手と比べると
お腹が少し冷たい状態というのが普通です。
けれども
お腹が極端に冷たくなってしまっている時は
夏バテになりやすい状態です。

手先・足先へ
血液を取られ過ぎてしまって
お腹が冷えやすくなってしまって
いるのです。

この時に、
冷たいものを飲みすぎるだの、
お腹を出して夜風にさらすだの
すると
胃腸の調子を狂わせて
夏バテになってしまいます。

セルフチェックが未然に防ぐ

こういった変化に
事前に気付くことが出来れば
不調がひどくなる前に
体調管理をして
ひどくなるのを防ぐことが出来るのです。

身体のことを頭で
知っているだけでは
もったいないのです。

それを、
「からだ」の感覚にまで
引き下ろすことが出来ると
知識は立体的になり
肌感覚で役立つものとなるのです。