反り腰:前のめりな姿勢からくる緊張や集中

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反り腰セルフチェック
反り腰

反り腰

お腹を前に飛び出させて腰を反らせた状態を常態化させてしまったものを“反り腰”といいます。
腰を反らせる姿勢がクセでなっている程度の軽いものから、関節の動きが悪くなってしまい反ってしまっているものまで色々あります。
反り腰になってしまう人の立ち姿を横から見るとお腹を前に突き出すように立ち、
股関節を軽く曲げたような姿勢で立っていることが多いです。
上半身は腰か斜め前へ突き出されるような恰好になるので
前に倒れていかないように胸を丸めるような姿勢になりがちです。

チェックポイント

・仰向けで寝ると腰が浮く
・骨盤の上部が前に競りだしている
・腰を丸めると気持ちよい
・出っ尻でお尻が目立つ

骨盤後傾

反り腰になってしまう人に共通の要素として、骨盤を前に倒すように傾けているという状態があります。

 

この骨盤を前に傾けることを、“骨盤前傾”といいます。反り腰になってしまう人は、骨盤を前に傾けるクセが出来てしまった人です。または、骨盤を後ろへ倒す動きが固くなって動かせなくなってしまった人と言えます。
つまり、丸い腰/丸まった腰の人が骨盤後傾してしまうのとちょうど逆向きの状態になります。

反り腰になってしまう要因

・お腹の力が抜けた状態
・前重心
・股関節の緊張

お腹の力が抜けた状態

反り腰になってしまう要因の一つにお腹の力が抜けてしまった状態があります。
お腹の力と言ってもいわゆる腹筋ではありません。
この力は、本来、グニャグニャと動き回る内臓を袋で包むように抱えて
ギュッとコンパクトにして背骨に押し付けるように働く力です。
お腹を全体を凹まして内臓を上に持ち合上げる力といっていいと思います。
この力が背骨を前から後ろへ押し返し前へ倒れこんでくるのを防いているのです。
また、同時に内臓をギュッとコンパクトに詰めることによって
内臓の入った袋がしっかりと立ち上がり上半身の重さを支える補助をしているのです。
けれども、なんらかの力でこの力が弱るとお腹の重さに引っ張られて
腰は前にせり出してきます。
典型的なパターンとして、内臓脂肪がついた太り気味の中年男性などが
お腹を前に突き出して腰を反った姿勢になってしまっているのが
よく見られます。

前重心

腰を反らせると自然と前重心になってしまうのはわかると思います。
反対に、前重心で立ったり走ったりする習慣やクセが強いと反り腰になってきます。
陸上選手やサッカーなどの速く走ろうとする競技の経験者に
前重心から反り腰になっている人が多いように思います。

股関節の緊張

股関節を緊張させ軽く曲げるような姿勢をとると自然と骨盤が前傾して反り腰になります。

反り腰と緊張

反り腰は集中と緊張を表すことがあります。骨盤を前傾させて腰を反らせる姿勢は、重心を前へ前へと移そうとしている姿勢です。その姿勢は、目の前の事態に対応しようとして心が前のめりになっている精神的な態度と重なりあいます。

試しに骨盤を前へグッと倒しこんで腰を反らせてみて下さい。腰にグッと力が入ると同時にお腹に力が入り、胸を緊張させます。呼吸のモードが変わるのがわかると思います。
同時に重心が前へ移るのに合わせて、足裏の重さが載る位置が前へ移動して足指が握るように力が入ります。その結果、脚の前面全体に力が入ります。いわゆる“踏ん張る姿勢”へとモードが移ったことがわかると思います。いわゆる“本腰を入れる”の感覚はこの感覚だと思います。
また、脚の前面部に入る力みが強すぎると太もも上部、股関節に余分な力が入り、余計に骨盤を前傾させます。ここに

緊張→反り腰
↑   ↓
股関節の力み

という正のフィードバックが出来上がる可能性に気付くと思います。ここから、緊張した場面で“すくみ足”にはまりこんでしまうような「からだ」の在り方にもつながる感じがわかると思います。

このようなことから、反り腰は、目の前のことに集中・緊張している状態がクセになってしまい抜けられなくなってしまった可能性がある姿勢と考えられます。
このことを踏まえると、なぜ腰椎すべり症/分離症が10~20代前半のハードなスポーツ経験者に多いのかなんとなく想像できます。
おそらく、厳しい練習と上手くなって良い成績を修めようという前向きな気持ちとそれに伴う緊張が腰をどんどん反らさせて腰の骨を滑らせたり分離骨折を起こさせるのでしょう。

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