自律神経失調症

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自律神経失調症

自律神経失調症という病名はないとよく言われます。
実際に、医学的な定義を探してもみつかりません。

この病名(のようなもの?)が使われている時は、

【西洋医学的な検査で、異常な結果を見つけられなかったにもかかわらず、ご本人さんは体調の不良を訴えられる】

という状況に名前がつけられているようです。
名前に振り回されて考えるより内実をキチンと考えた方が得策です。

一応、自律神経失調症というネーミングの由来を考えてみましょう。

自律とは、自ら律すること、すなわち外部から干渉なしで勝手に動いているということです
「自律神経」は、自分で動けと思う間もなく活動している神経達の総称です。

身体の中で、どのような時にこの神経が働いているかというと

例えば、
心臓が打つスピードの調整、
体温や血圧を適度に保つ、
食べ物の消化や吸収、
排尿や排便のコントロール、
瞳孔の開閉で眼底に届く光の量を加減、
汗や唾などの調整
などなど

上げていけばキリがありません。

私達が考えなしに行っていることのほとんど全てに自律神経は関わっています。

そこから、自律神経失調症という言葉を考えてみます。
すると、

【勝手に働く神経がさぼりがちでキチンと調整出来ていない】

というニュアンスのことを伝えたい言葉のように思えます。
具体的に考えてみましょう。

寝ているのに心臓が早く打つ ⇒動悸
食べてるのに唾が出ない ⇒口が乾燥
夜暗くして布団に入ったのに眠くならない ⇒不眠
等々

こう考えると、どんな症状にも自律神経はかかわっています。
自律神経失調症といっただけではどんな病態なのかイメージすることすら難しいことになります。
すなわち、この言葉だけでは、守備範囲が広すぎて方向性がわからず、
何かを判断したり、具体的に考えたり行動したりするには足りない
のです。

そして、西洋医学的な検査では、異常が見つけられないのですから、
いたずらに症状に対して対処療法を打つことになりがちになってしまいます。。

東洋医学の観点からみると、
「自律神経失調症」を診るとどうなるでしょう?
東洋医学には、西洋医学とは一線を画した「からだ」の観方があります。
表/裏、寒/熱、虚/実、気血水、三焦、五臓六腑、外邪/内邪等々
様々な道具立てがあります。

これら観方で診ると、自律神経失調症は一つの病ではありません。
さまざまな原因や体質から起こった複数の違った病気を混ぜこぜにして見たものと言えます。

そして東洋医学の世界では、それらの異なった病気それぞれに対して治療法が提示されています。
もっとも特徴的なのは、それぞれの病態に対して生活の中に原因を見つけてくることです。
そして、生活を改善していくことが、根本的な治療とされていることです。

この根本的な治療まですることができると、単に治っただけではなく再発しない「からだ」へと変わっていくことが出来るのです。


甘いもの食べすぎ
運動不足

脾虚湿生(胃腸が弱って水分の溜まった状態)

痰飲(溜まった水分がよどんで体にイタズラ)

治療:胃腸の働きを回復させて水分を排出させる

根本的な治療:甘いものを控える、運動をする

当院では、単に治療すれば良いと考えるのではなく、
この根本的治療までたどり着くことを目指しています。