背中縦まくら:整体

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背中縦まくら:整体体操・整体・操体・ストレッチ
背中縦まくら:整体

背中縦まくら:整体

背中横まくらと対の整体です
細長い枕を背中に対して
縦に置くか横に置くかの違いです。

対象者

  • 胸が閉じている人
  • 背中がずんぐりした人
  • 息が浅くなりやすい人
  • 巻き肩の人

目安となる症状

  • 緊張がとれにくい
  • 息が浅い
  • 声が小さい
  • 息切、動悸しやすい
  • 疲れやすい
  • 背中のこり
  • 肩引きのこり

付けたし

簡単で安全に
比較的多くの人が
使うことが出来る
良い方法です。

ただし、
これだけでは
対症療法的な方法です。

なので、
“スカイフック”などの
姿勢を改善する整体などを
加えれば
より射程距離の長い
本質に近づいた方法に
していくことが出来ます。

やり方


場所

硬めのベッドや床

用意するもの

バスタオルを
2~3枚重ねて
縦長になるように
巻いたもの
(高さや硬さが合えば
細長いクッションなど
なんでも良いと思います)

手順

  1. 事前のセルフチェック
  2. 巻いたバスタオルを縦におく
  3. 背骨をバスタオルに
    沿わすように寝転ぶ
  4. 手のひらを上に向くように
    両腕をサイドにだらりと
    垂らすように置く
  5. 胸が開いて寛いだような
    気持ちよさを感じながら
    5~10分その姿勢をキープ
  6. 事後のセルフチェックをして
    変化をキチンと感じる
    (フィードバックをかける)

ポイント

胸が開いて寛いだ感じがする
というのが、
最大のポイントだと思います。
寛いだ感じになると
自然と息がゆったりとしてきます。
テンポもゆったりとなり息が深くなります。
この感覚を指標にして
バスタオルの巻き方や厚さ
当てる位置を調整します。

また、
腕の重さを
いかに使うか?
というのもポイントです。

腕の位置を
バンザイにしてみたり
真横に垂らしてみたり
など
ゆったり寛いだ感じになる
位置を探してみましょう!

足や首に
力が入ると
胸も硬くなります。
枕や膝まくらを
入れて
体から余分な緊張が抜ける
ようにするのもコツです。

注意

痛みを感じる人

背中や首
肩や股関節が
固まってしまって
この姿勢をとると
痛みを出てしまう
―という方は
無理しないで下さい。

バスタオル巻き方を薄くする
頭に枕を入れて高くする
肩の下に“肩枕”をいれる
膝に“膝枕”を入れて膝を立てる

などの対策をして
寛いだ姿勢になるようにして
行って下さい。

それでも痛い人は
無理しないで下さい。
別の方法で
肩関節や股関節を
少し弛めてから
チャレンジする
ようにして下さい。

気持ちよく出来る人

この姿勢が最初から
楽に出来るような人なら
多少長い時間しても
大丈夫だとは思います。
寝てしまっても
大抵はいけると思います。

ただ、
やはり用心はした方が
良いように思います。
特に巻きバスタオルの
縦おきした時の上下の端です。
この部分に段差が
できて背骨が反った
状態になりやすいです。

長時間すると
この部分で
腰が反ったり
胸が反りすぎたりして
後で痛みがでることが
あります。

用心した方が
無難だと思います。

説明

胸(胸郭)は柔らかく動く必要がある

胸郭は元々
上下の縦の方向と
左右の横の方向へ
柔らかく動かなければ
いけないのです。

上下・前後・左右に
自由にたわむことによって
胸郭の中や回りに
「気血」が巡るのを
助けているのです。

胸郭の横方向への動き

胸郭の背中側の
横方向への動きを
可能にしているのが
背骨と肋骨の間にある
関節です。
(肋骨頭関節と肋横突関節)

この関節が柔らかく動くことによって
胸郭はクッションのような柔らかな動き
を横方向に実現できているのです。

胸郭の動きの悪さは気付かれにくい

けれども、
長時間の負担のかかる姿勢や
精神的な緊張等で
胸郭は
徐々に硬くなってきます。

ただし、
一部が多少動き悪くなっていても
他の部分がカバーしてしまいます。
この結果、
アバラの動きが悪くなっても
全く気付かないということが
起こるのです。

たまる“未病”

動かない肋骨の回りは
「気血」の巡りが悪くなり
自覚しない疲労をため込みます。
アバラ骨は左右12対ありますが、
この24本の多くが動けなくなり
胸郭は鎧のようになってきて
自覚症状が
やっと出るようになってきます。

この“胸が鎧”状態になると
心臓や肺の心配機能が落ちます。
つまり、
“息切れ”や“動悸”が
起こりやすくなります。

肝臓や膵臓といった消化の機能にも
影響が表れてきます。
“胃もたれ”“むかつき”などです

つまり、
“未病”が表に現れ
“既病”となるのです。

“背中縦まくら”は横への動きを促す

“背中縦まくら”整体
胸郭の横方向への動きが
悪くなったものを
柔らかく動くように
促すのものです。
(縦方向への動きを促すのが
“背中横まくら”です)

“胸が鎧”になって
しまわないようにするために
行うのです。

出来たら症状のない
“未病”の段階で
防いでいきたいのです。

私的なコメント

この整体も昔から
様々な健康法として
紹介されてきています。

現在も
細長い円柱状の
発泡スチロール製のものが
健康器具として
ホームセンターなどでも
売られています。

背中や腕のコリがほぐれる
とかのうたい文句が付いていること
多いです。

けれども、
“背中縦まくら”の最大の
メリットは

呼吸⇔胸郭
胸郭⇔姿勢

つまり

呼吸⇔胸郭⇔姿勢

の関係に気付きやすくなることだと
思います。

“背中縦まくら”をして
よくよく「からだ」の感じを
感じてみましょう!!

胸が呼吸に合わせて
左右に拡がったり
縮んだりの繰り返しているのが
わかると思います。

もっと、
よく感じると

息を吸うときに
背中側の背骨の真ん中から
波がおこり
アバラ骨に沿うような形で
脇の方へ流れ
胸郭全体へ拡がります。

そして、

息を吐きだして
胸が縮みだすと、
下げ潮のように
正面の胸の真ん中の方へ
波が回収されていく
のが感じられるのが
分かると思います

“背中横まくら”をした時に
感じられる波を“縦の息”
“背中縦まくら”をした時に
感じられる波を“横の息”と
私は読んでいます。

この“横の息”を
よくよく観察していると
胸への伝わり方に
ムラがあることが
わかると思います。

うまく波が伝わらず
左右の開閉から
取り残されたような
部分があるのです

この部分こそが
“未病”をため込んでいる部分です。

この場所を触ったり
圧してみると
アバラ骨がカチコチになって
動かなくなっていたり
浮腫みやうっ血が
出来て圧すると
痛みを感じたりします。

この硬くなった部分と
自分の普段とる姿勢を
合わせて観察すると
姿勢とこの硬さが
連動していることに
気付くはずです。

猫背で胸を右へ傾かせている人
(うつむき勝ちで右肩下がり)

前側の胸骨の右から、
右鎖骨の下あたりかけて
少しブヨーと浮腫みたいな
感じが触れることが多い
その右鎖骨の下は、
圧すると鋭い痛みを感じる
また、
右側の第一肋骨、第二肋骨が
胸骨と付着している部分が
硬くなっていて
圧しても弾まない
意識的に
息を吸い込んで
膨らませようとしても
右の上部が膨らみにくい
のがわかります。

つまり、

右斜め前に胸が
傾いてしまい
右の胸前側を押しつぶして

しまっているのです。
(一番多いパターンです)

そして、
この押しつぶされた胸郭は
精神的ストレスや
緊張とも関連していることにも
気付くはずです。

この押しつぶされた部分に
弛んでくると
緊張がほどけてきます。
逆に固まってくると
緊張が強くなってきます。

自分の胸の変化を
感じられると
そのようなことも
わかってきます。

もちろん、
背中のはりが取れた!
とか
緊張が解けて気分がスッキリした!
などの自覚症状がなくなることも
好循環の波に乗るためには
大切なことです。

けれども、
そこばかりに目がいくと、
好循環を可能にしている
「からだ」という背景を
無視することになって
しまいます。

その結果、
長い目で見ると
同じ症状が
再びぶり返してくることが
多くなります。
または、
全く違う症状として
違う形で出てきたりします。

これを防いでいくには、
やはり、
自分の「からだ」で感じること
だと思います。

“背中縦まくら”をして
単に姿勢を変えるだけでは
なくて「からだ」の感覚を
取り戻すことにこそ
使ってほしいと思います。

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